2023年になったこの世の中は、サイトが作りたければ、誰でも無料で作れる便利な時代になってきました。
そういっても、あなたは目的を持ってサイトを作っているはずですね。その目的は「ただサイトが欲しい」のであれば、確かにいますぐWixなどのノーコードツールを開いて、1時間で無料ホームページを作りましょう。それはとても簡単です。
ただ、サイトを作る目的は、例えば「ブランドのイメージをよくしたい」や「集客したい」や「商品を売りたい」というものであれば、その目的に果たすサイトを作るのは、決して簡単なタスクではありません。
- ブランドのイメージに合うデザイン
- ロードの早いソースコード
- 検索に最適な構造とコンテンツ
- わかりやすい内容など
このようにサイトで目的を達成するための様々な知識とスキルを使ってそのWebサイトを作ることになります。
制作工数のかかるこの重要な仕事を社内で行うか、外部の制作会社かフリーランスに外注するかは、難しい判断になってきます。
その判断を少しでも簡単にするために、それぞれのアプローチのメリットとデメリットについて詳しく説明していきます。
制作の流れ
まずは、そもそもWeb制作に含まれる作業を見ていきましょう。最初の何もできていない状態から、サイトの完成までに至る段階を詳しく説明します。
企画
最初は企画から始めます。サイト制作の背景となるニーズ、その目的、解決したい課題などを整理します。
次は、その結果に基づいてサイト訪問者のイメージを作って、そのサイトを訪れる結果として行ってほしいアクション(CTA:Call to Action)を決めます。
それからサイト全体の構造とページの構成を企画します。
ライティング
次はサイト訪問者に届けたいメッセージを言語化して、サイトのテキストを書きます。
このテキストは今後デザインと実装に使用され、サイトの骨のようなものになります。
ライティングしている時に、企画段階で決めたCTAを促すような文章とストーリーを作成することに注意します。
素材の用意
ライティングが終わってから、伝えたいメッセージをより届けやすくする素材を用意します。例えば特定の気持ちを呼び出す画像やあるイメージを伝えるイラストを集めます。
素材の種類は数多くあります。例えば、写真、イラスト、アイコン、アニメーションなどです。サイトの目的と考えるデザインに沿って適切なものを選びます。
素材は、すでにあるストック素材を使うことも多いですが、オリジナリティを生み出すには、独自の素材を用意することもあります。
デザイン
素材の用意の上で文章と素材をバランスよくサイトとして見せるイメージを作ります。
この段階では、Figmaなどのデザインツールを使うことが多いです。各ページのデザインを用意して、カラーの使い方、ボタンやテキストの見た目などを決めます。
綺麗だけではなく、使いやすさと分かりやすさを重視してデザインを作成します。
実装
デザインが確定した後で、コードやWebflowなどのノーコードツールを使ってデザインをサイトとして構築します。
構築している中、いかにデザインを再現できるか、そして効率の良いコードを作成するかは、ポイントです。大量のHTMLを使ったり、長いCSSを作ったり、多くのJavaScriptを書いてしまうと、結果としてページのロードスピードが落ちてサイトのクオリティが下がります。
もう一つのポイントは、レスポンシブ対応です。サイトを見るさまざまなデバイスの画面サイズに適用して、綺麗にサイトを表示することがポイントです。
そういったところに気をつけながら構築します。
その作業の結果としては、公開準備のできてあるサイトが出来上がります。
SEO設定
新しいWebサイトが検索の上位をとるためにSEO(Search Engine Optimisation)の検索最適化作業も必要です。
例えば、セマンティックなHTMLタグの設定やCSSクラス名の省略や画像サイズとフォーマットの調整などがあります。もちろん各ページのメタタグと説明文の設定とOGP画像の設定も必要です。
公開設定
最後は、ドメイン取得と接続やホスティングの作業があります。その作業が無事に終わったら、サイトがネットで公開され、誰でも自由にアクセスすることができるようになります。
運用
公開設定は最後だといっても、サイトを作ったままで放置するのは非合理的で、ユーザーのニーズや企業の方針変更などによってアップデートをかける必要があります。文章を調整したり、コンテンツを追加したりすることになります。
このように、一つのWebサイトを制作するには、数段階を踏んで多様なキルを使った作業を行う必要があります。
自社制作
最初はWebサイトを自作するパターンを見ていきましょう。
Webサイトを自作するために社内にその作業を担当する社員を決める必要があります。その社員のWeb制作に関する知識・スキルとこの作業に使える時間によって結果が大きく変わってきます。
サイトを自社で作成することには、メリットもデメリットもありますので、それぞれ説明します。
メリット
最初は自作のメリットからスタートします。
予算の節約
一番最初思い浮かぶメリットは、やはりサイト制作にかけられる資金の節約です。
社内のリソースを使えば、外部に委託する分のコストをかける必要がなくなり、予算を抑えることができます。
ただ、他の仕事に使える社員の時間がサイト制作に使われるので、その分の時間コストも計算する必要があります。そして社内チームのスキルが足りない場合、追加で研修したり、もしくは新しく専門家を採用するニーズが出てくる可能性がありますので、そこも計算に入れておきましょう。
便利なコミュニケーション
社内のコミュニケーションはすでにルール化されて、全ての社員にわかりやすいプロセスになっていると思います。そこで何か新しいコミュニケーション手段を使う必要もなく、お互いの特徴の理解から効率よくコミュニケーションをとることができるはずです。
そういっても、Web制作の経験の少ないチームは、コミュニケーションにおいて非効率なアプローチをとる危険もあります。Web制作のようなクリエイティブなプロジェクトは、コミュニケーションの不足とオーバーの間にバランスを見つける必要があります。そのバランスが見つかるまで時間がかかることが多いです。
速い作業のペース
Web制作を専門的に行う社員は、常にサイトの更新ができます。例えば文章の修正やコンテンツの追加などのアップデートをすぐにかけることができます。
ただ、Web制作の以外のタスクをやりながらサイト管理する社員は、その他の仕事で忙しくなり、サイトの更新に時間を全くかけられないケースもあります。
独立性
もう一つのメリットは、制作業者に依存しないことです。Webサイトのような複雑なITシステムは、詳しいドキュメンテーションがある場合を除いて、そのシステムを作った専門家以外に管理やアップデートをすることが難しいです。
その理由で、ある制作会社やフリーランスにサイトを作ってもらったら、その人と常に契約を結んで、管理してもらう必要が出てきます。そのように依存してしまうことになります。
社内でサイトを制作すると、外部に依存せずにサイトの管理、運用とアップデートをかけることができます。
ただ、依存しないといっても、実は社内制作の場合は、制作専門家の社員に依存してしまうことになります。その作る社員が仕事を辞めた場合、引き継ぎが大変になるかもしれません。
デメリット
自社内にWebサイトを作成するメリットは明確になったと思います。それぞれのメリットには、裏側がありますので、次に自社制作のデメリットを見ていきましょう。
スキル不足
そもそも制作会社や関連分野のIT企業ではない限り、ほとんどの企業にはWeb制作のために必要となる人材は不足していると思います。
この記事の最初に伝えたとおり、制作は数段階に分かれて多様なスキルの組み合わせで進められます。その全てのスキルをある程度高いレベルで保有しているチームを社内で作ることはかなり難しいです。
新しく専門家を採用するか、また部分的にフリーランスや制作会社に依頼することになります。または既存の社員の研修を実施し、教育させるパターンもあります。どちらにしても、採用や教育は時間とコストがかかります。
スキルが不足しているままで制作を進めると、成果物のWebサイトのクオリティが低くなり、ブランドイメージの向上や集客などの目的を果たせない恐れがあります。
社員の時間を奪う
もともとあなたの事業に対して重要な別の仕事をしている社員をWebサイト制作のタスクにアサインすると、その大事な本来の仕事にかけられる時間が奪われます。
その結果、会社の提供しているサービスの質またはボリュームに影響が出る可能性があります。
またはWeb制作に興味のない社員にその仕事を与えると、その人の仕事に対する不満も出て、モチベーションが下がる可能性もあります。仕事をアサインする際に、その社員の個性と興味を考慮しましょう。
設備投資の必要
もともとWeb制作などのクリエイティブな仕事している企業ではない場合、Web制作に使う必要なソフトウエアまたはスペックの高いコンピューターを購入することが必要になるかもしれません。
グラフィックや動画の処理をするには、専門的なプログラムと性能の高いパソコンが必要ですので、それを購入する可能性が出て来やすいです。そしてWebサイトの最終テストをできるだけ多くのデバイスで行いますので、その端末の用意も必要になります。
制作外注
ホームページを作成するもう一つのパターンである制作外注を詳しくみていきましょう。
制作の外注先は、制作会社でもありますし、フリーランスに外注することもあると思います。どちらにするかによって外注のメリットとデメリットがある程度変わってきますが、今回は主に制作会社のパターンを見ていきます。
メリット
まずは、自社サイトの作成を制作会社に外注するメリットをみていきましょう。
専門性
制作会社はWeb制作のそれぞれの作業に特化した専門家のチームです。そして経験の豊かなメンバーを揃える会社も多いですので、彼らはクオリティの高いサイトを効率よく制作できるための専門知識とスキルがあります。
見やすくて使いやすいデザインとロードの速いページ構造とコンバージョンを促すサイト構成であなたの事業の成功を支えるサイトが出来上がる可能性が高まります。
時間の節約
専門家の方が仕事の進み方が早いので、制作会社に依頼した方が高質なWebサイトが早く作成できるケースが多いです。作業自体も早いだけではなく、制作流れがシステム化されているおかげで、効率的にプロジェクトが進みます。
制作会社がWebサイトを制作している途中に自社の社員の時間が利用されないおかげで、他のより重要な仕事に空いたリソースを使えます。
楽な管理
Webサイト制作のプロジェクトは基本的に制作会社に管理になります。そのおかげで自社の管理工数が大幅に減って、プロジェクト進行が速くなることが多いです。
最先端な技術
Web制作は常に新しい技術が発明されていく変化の激しい業界です。例えば、昔はPhotoshopやIllustratorでサイトのデザインが作られていました、その次はWebデザインにより特化したAdobe XDとFigmaのようなツールが開発されてデザインのチーム内のコミュニケーションがより楽になりました。そしてWebサイトの構築も昔は制作と運用の工数をかけてHTML/CSSのサイトをWordPressと繋いで制作していましたが、現在はより効率の良いノーコードツール(Webflow、Framer、Studioなど)でデザインと構築と公開の流れを楽にするやり方があります。
制作会社は仕事の効率を上げるとクライアントにとってより高い価値を提供するために常に新しい技術を試して取り入れています。そのおかげで、制作会社に依頼することで最先端で最も効率とパフォーマンスの高い技術を使ったサイトが制作されることを期待できます。その結果として制作の時間と費用が減って、サイト運用がより便利でしやすくなります。
デメリット
次は、制作会社に外注した場合のデメリットを説明します。
制作コストが高い
Web制作を制作会社に依頼すると、その分の費用が必ずかかります。難しいサイト制作の作業をチームで行うので、高額なコストになるケースもあります。特に複雑で機能的に豊かなWebサイトを作る際に予算額が上がることが多いです。
予算に余裕のない場合、制作会社に依頼することが難しいかもしれませんが、専門的に作ったパフォーマンスの高いWebサイトを持つ長期的なメリット(売上向上など)を考慮した上の投資として考えることも多いです。
よくない制作会社に出会うリスク
会社の顔になるWebサイト制作をあまり丁寧ではない制作会社に依頼してしまうと不満に繋がることが多いです。弊社に相談しているお客さんの中には、実際にそのような辛い経験のあった方がいます。
例えば、要望をあまり聞かないで、テンプレートから一般的なWebサイトを作って高額で納品する制作会社があります。
そのような不親切な制作会社に依頼してしまうと、絶対に損して、将来的に後悔します。
制作会社を選ぶ際に、本当に信頼できるかは、いくつかの見るべきところがあります。
- 制作実績の事例(その会社のサイトに記載があるべき)
- 取引先(どのような会社さんが依頼してきたか?今もそのサイト動いているか?)
- 制作流れ(サイトや資料に説明があるべき)
- コンテンツ配布(真面目な制作会社はノウハウなどをSNSやブログで配信することが多い)
このようなところを見ると、大体いい制作会社と悪い制作会社を見分けできると思います。
そして依頼する前にたくさん話をする必要があります。彼らはあなたのニーズをちゃんと理解しているか、解決策となる提案があるかは、話からわかります。
まとめ
Webサイトを制作するのは難しいです。いい結果に繋がるためには、その作業を専門家に任せた方が時間を節約できるだけではなく、高質なサイトから利益を得る可能性も高まります。
自社でサイトを効率よく制作・運用するには、極端的に話すと、自社専用の制作会社(チーム)を社内で作ることになります。そちらのチーム作成をするよりは、作業をより効率よくしてくれる専門家に任せた方が最終的にコストも低いはずです。
制作会社をきちんとリサーチして、気をつけながら選ぶと、コスパよくサイト制作ができると思います。